その行列を言い表すなら
ディズニーランドのアトラクション。
異なるのは見える景色。
夢の国ではなく、ごく普通の住宅街。
犬の鳴き声がワォンワォン響き、
宅急便の車もぶんぶん通る日常である。
もう1点は並んでいる人。
カップルが4割、おひとりさまが4割(私もココ)、
同姓の友達や家族とおぼしきペアが2割。
ここがディズニーなら、おひとりさま率がガクンと下がる。
私が並んでいるのは2月にオープンした
日本初出店のコーヒーショップ
ブルーボトルコーヒー清澄白河店だ。
ちなみに今日は月曜午後。
初日は2時間半まちと聞いたが今日はどうか?
1時間はかかるとみた。
よし、待ち時間短縮の方法を考えるとしよう。
1、友人を装い、ずっと前に並ぶおひとりさまに割り込む。
うーん。
アウェイの東京で通用するか疑問。
意外と意気投合して縁ができるかもしれない?
そのためにはターゲット選定が鍵。
スマホ&イヤホンの人は避けよう。
読書中の人の邪魔もしたくない。
となると、フリーなおひとりさまがいないことが判明!
あう…
次の策。
2、「鹿児島から来たんですが、
今日の飛行機で帰らないといけなくて!」
と情に訴えて、前に割り込む。
こういう理由があると人は優しくしてくれそうな気がする。
が、私は鹿児島弁が話せない!
信憑性ゼロ。
小道具のスーツケースでもあればいいが、あいにく軽装。
これもダメかー。
最後の秘策。
3、マスコミを装い、店員に直談判。
鹿児島でライターしてます、と名乗り取材を理由に入店!
堂々とすれば怪しまれないのではないか?
ただし、ライターの名刺もなければ寄稿の予定もない。
しかも、うまくいって偉い人に通されたら大変だ。
コーヒーが飲みたいだけなのに(笑)
他にも、
番外編として「その場で倒れる」
も考えたが、コーヒーどころか救急車沙汰になると
皆様に多大なるご迷惑をおかけするので、却下。
炎天下でもないのに倒れるなんて、
「コーヒー行列で倒れる人が出た」
とマスコミも嬉しがって報道するだろう。
ダメよ、ダメダメ。
ここまで書いて30分。
入り口が近づいてきた。
おぉっと!店員から場外アナウンス。
「豆だけお求めの方、いらっしゃいませんか~?
すぐにご案内できますよ」
なに?豆だけ購入?
まるでファストパスのような優先案内ではないか。
心が揺れるが、やはりバリスタが淹れる一杯を飲みたい。
その上で豆の購入を検討したい。
よし。
アナウンスは聞かなかったことにしよう。
入店まであと30人。
アナウンスによると、店内が込み合うため、
立食やテイクアウトになる場合があります、とのこと。
かまへん、かまへん。
今日は並ぶの覚悟でフラットシューズ履いてきたで。
立ち飲みでええから、はよ案内してーやー。
にしても、交通量が多いな。
行列チェックか?
外観を撮影する人も後を絶えない。
(私も並ぶ前に撮った人)
あと20人。
さっきまで日が射して暖かかったのが、
ちょっと曇って冷えてきた。
淹れたてコーヒーがますます美味しいな。
こんなことを考えていたら、
1時間あっという間だった。
入店まぢか。
さぁ、行列のできるコーヒーやいかに?